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猫さんを取り巻くいろいろなこと ~すべての猫さんのしあわせを願って~

VOL.1
お家のない猫さんを保護して思うこと



お家のない野良猫を保護して、一緒に暮らしている方、あるいは、そうした経験のある方の多くが、保護した猫との出会いを、運命的な何かが引き合わせてくれたものだと感じていらっしゃるのではないでしょうか。
かく言う私もそのひとり。
左目を膿に覆われた、小さな子猫が私のところへ来たのには、きっと何か理由があるはずだと信じています。
ずっと以前に天国へと見送った茶トラの猫「たま」の魂が、この弱り切った子猫を、私のもとへと導いたのではないか。猫の神様が、「もう一度、上手に猫と暮らしてごらん」と、私にチャンスをくれたのではないか…。
そんな風に考えたことは、一度や二度ではありません。



ずっと聞こえていた声
真夜中から明け方、そして空が明るくなってからも、子猫のなき声はずっと途切れることなく私の耳に入ってきました。
必死で何かに助けを求めるような、おそらくは体中の力を振り絞って出されているであろうその声は、私の胸をざわざわと波立たせていたことを今でもよく覚えています。



あ!来てくれた
仕事に出掛けるための準備を終えたちょうどその時、子猫の声は一段と大きいものになりました。
子猫が私の部屋のドアの前にやって来たのです。
「あ、来てくれた」
不思議なことですが、驚きはなく、そのことを自然に受け止めている自分がいました。
静かにドアを開け、少し逃げては立ち止まり、そっと振り返る子猫をようやく胸に抱いた瞬間から、子猫と私の時間は始まりました。

手の平にのるほどの小さな体。
子猫は薄汚れ、左目は厚い膿に覆われているために開くこともできずにいました。
その姿は、小さな小さな猫がひとり、必死で自分の身を守り、これまでの日々を懸命に生きてきたことを思わせました。


あと一日遅ければ…
保護したその日訪れた動物病院の獣医師が私の腕の中の猫を見た瞬間、驚いた表情をして、一歩しりぞいたことを今でも鮮明に覚えています。

「保護するのが一日遅れていたら、この猫は間違いなく死んでいたよね」というのは、何度目かの診察の際の獣医師の言葉。

あれほど汚れて、弱りきった子猫が病院に運ばれることはほとんどなく、多くの場合、誰にも知られずにそっと命を引き取っていくのだという現実を知ったのは、子猫と暮らすようになってからずっと後のことです。


お家はあったほうがいい
「うめ」と名付けたこの子猫の命を託してくれた力に、私は今、心から感謝しています。
どんな力が働いたのかは知る由もありませんが、私を選び、私のもとにやって来てくれた猫は私に、お家のない野良猫が生きなければならない過酷な運命をを教えてくれました。

愛されるために生まれたはずの命が、野良猫であるが故に人知れず消えて行くこと、たとえ命をつないだとしても、それから先の彼らの人生は常に死と隣り合わせであることを思うと、胸が痛みます。

野良猫が不幸だとは言えないのかもしれません。自由に生きることを楽しんでいる子もいるでしょう。
でもやはり、あたたかい寝床があって、十分なごはんをもらい、病気になった時には適切な治療を受ける事ができる、そして何よりも、大きな愛情に包まれて暮らせることのほうがしあわせに思えてなりません。
どうしても、お家のない猫がいなくなる日がくることを願わずにはいられないのです。

 



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